変形性股関節症は関節が変形してしまうので、痛みを改善するのが難しいとされていますが、痛みの原因は関節の問題ではなく、股関節周りの環境が悪いために痛みが出てしまうことがほとんどです。
股関節には筋肉や靭帯、関節包など股関節を安定させる組織がたくさんありますが、これらの組織が硬くなってしまったり、筋力などが低下してしまうと股関節が不安定になり変形性股関節症の痛みの原因となってしまいます。
股関節を支えている組織の硬さを取ったり、筋力などが元の状態に戻れば股関節が安定し、痛みを改善することができます。
こばやし接骨院では変形性股関節症にどの組織が影響を与えているかを丁寧に触って調べ、問題がある箇所を治療していきます。
変形性股関節症の痛みに影響を与える股関節の組織
股関節を支える筋肉
股関節には股関節を安定させるためにたくさんの筋肉が付いています。
股関節の痛みが出ている人は筋肉が硬くなっていて、筋肉は硬くなると筋力が発揮できなくなり股関節が不安定になってしまい痛みの原因となります。
腸腰筋
股関節の前側にある筋肉で股関節の曲げ伸ばしに関わる筋肉です。
この筋肉が硬くなると股関節の前側で詰まり感を感じたり、歩くときや荷重したときの痛みが出てしまいます。
小臀筋・中殿筋
股関節は骨盤に太ももの骨がはまる形で構成されていて、小殿筋と中殿筋は股関節のインナーマッスルでこのはまりをさらに強化して、股関節を安定させています。
そのためこの筋肉が硬くなり働かなくなってしまうと股関節がはまってない感じがして、股関節の不安定感を感じてしまいます。
大内転筋
股関節の内側にある筋肉で、曲げ伸ばしなど股関節のすべての動きに関わったり、歩行など荷重をかけたときに股関節を内側が支えてくれるパワフルな筋肉です。
この筋肉が機能しなくなると股関節すべての動きに制限が出たり、歩行など荷重をかけたときに痛みが出るなど、とても重要な筋肉なのですがあまり治療をされず見逃されやすい筋肉です。
外閉鎖筋
股関節の付け根にある筋肉で、股関節を曲げたり、歩行など荷重をかけたときに股関節を支えてくれる筋肉です。
この筋肉が硬くなると、股関節の詰まりを感じたり、荷重をかけたときに股関節が安定せず痛みが出てしまいます。
脂肪組織
大腿直筋という太ももから股関節まで付いている筋肉があり、股関節に付く部分で筋肉の回りに脂肪組織が付いています。
変形性股関節症の方はこの脂肪組織が硬くなっている人が多く、脂肪が硬くなると筋肉の動きが制限され、股関節の動きも制限されてしまいます。
この脂肪組織はレントゲンやMRIなどを取っても異常はでないので見逃されやすいですが、痛みの原因になる重要な部分になります。
仙腸関節部
股関節は骨盤の受け皿に太ももの骨がくっついて構成されています。
その骨盤部分にある仙腸関節が安定していないと股関節も不安定になり痛みの原因となります。
仰向けに寝て、痛い側の足を逆側の太ももの上に乗せて、そこから痛い側の足を開いて股関節に痛みがでる場合、仙腸関節が不安定になっている可能性があります。
変形性股関節症の痛みに影響を与える股関節以外の問題点
股関節以外に問題がある場合も変形性股関節症の痛みがでます。
体重を支えるときなど股関節だけでなく、膝や足首が連動することで負担が分散され股関節の負担が軽減されますが、股関節以外に問題があると股関節だけに負担が集中して股関節の痛みの原因になります。
多くの股関節の痛みを診てきた経験で、実際に動いてもらったりすると股関節以外に問題があるのが分かるので、問題がある箇所を治療したり、リハビリを行ったりします。
背骨の柔軟性が低下している
50代ぐらいから変形の痛みが出てるく人が多いのです、痛みが出る多くの人が背骨の柔軟性が低下しています。
例えば前かがみをするとき股関節と背骨が一緒に曲がると股関節の負担は少なくてすみますが、背骨の柔軟性が低下していると股関節が必要以上に曲がり、関節に負担がかかり痛みの原因となります。
背骨と股関節が連動して動くことは股関節を守るためにとても重要です。
膝や足首の柔軟性筋力が低下している
足に荷重がかかる際に股関節だけではなく、膝や足首も一緒に支えてくれることで足にかかる負担を分散されています。
特に歩くときなど股関節より膝や足首の方が地面に近いため、膝や足首の筋力や柔軟性が低下していると、足がグラグラして股関節の負担が増え、痛みの原因となります。
変形性股関節は加齢で治らないとあきらめている人もいるかもしれませんが、股関節自体の問題や股関節以外の問題点を治療することで、改善できることも多いので変形性股関節症の痛みで悩まれている方はご相談下さい。