40代以降の女性に多い変形性膝関節症。
膝が痛くなり、整形外科などでレントゲンを撮ると、膝の軟骨がすり減っていると言われ、加齢で変形性膝関節症と診断される人も多いと思います。
年齢とともに誰でも軟骨がすり減るため、40代以降でレントゲンと取ると多少の変形は誰でも出てしまいます。
ただ変形があっても痛みが出る人もいれば、出ない人もいます。
変形が進んでしまい、膝の関節の隙間がなくなってしまっている場合は、外科的な治療を行わないと治らない場合もありますが、関節の隙間があれば改善できるこも多いので、変形があっても痛みが出る人と出ない人の原因を紹介します。
1.膝周りの筋肉や関節が硬くなっている
膝の周りには膝を動かす筋肉や膝を安定させる関節包というものがありますが、これが硬くなっていると膝がグラついて安定せず痛みの原因となります。
例えば、正面から膝をみて、お皿のすぐ下の両脇の関節の隙間には関節包というものがあり、これが硬くなっていると痛みが出ます。
また膝周りにはたくさんの筋肉があるので、これらが硬くなっていると膝の痛みが出てしまいます。
2.股関節や足首の動きが硬い
膝の筋肉などが硬くなって膝の動きが悪くなって痛みが出ているのは間違いなく、一般的に膝が悪くなって痛みが出ていると思っている人も多いと思います。
しかし膝だけが悪くて痛みが出るということはほとんどなく、膝の上下にある股関節や足首の動きが悪いために、膝の痛みが出ることがほとんどです。
例えば歩くときなど、膝を動かすときは膝だけ動いているわけではなく、股関節や足首も一緒に動くことで、足にかかる負担を分散しているのですが、股関節や足首の動きが悪くなっていると、膝だけで動かさなくてはならないため、膝の負担が増えてしまいます。
股関節や足首は動きが悪くなっていると、膝が本来動くはずの股関節や足首の代わりまでしなくてはならなくなるので、膝が動き過ぎてしまい負担がかかり、膝の筋肉や関節包が硬くなってきて、痛みの原因となります。
3.体幹、股関節、膝、足首の筋力が低下している
膝周りの筋力が弱いと膝の負担がかかるのはもちろんですが、先ほどの股関節や足首などの動きが悪いと膝に負担がかかるのと一緒で、体幹や股関節、足首の筋力が弱くても膝への負担は増えてしまいます。
足首や股関節などの筋力がしっかりしているからこそ、膝の筋力もしっかり働いて膝が安定して動かせることができるのですが、膝の筋力はあっても、足首や股関節などの筋力が弱いと、膝の筋力がしっかり発揮できず、膝が不安定になってしまい、痛みの原因となります。
変形性膝関節症と診断されても必ずしも痛みが出るわけではありません。
痛みが出る人と出ない人の違いは変形が必ずしも原因となるわけではなく、膝以外に原因があって結果的に膝が痛くなってしまうことも多いので、膝周りの筋肉や膝関節にある関節包というのを丁寧に緩めたり、膝以外の足首や股関節に問題ある場合、それらを治療することで改善できることも多いです。