あなたがこのページをご覧になっているということは、シンスプリントの痛みに悩みながらも「できれば走り続けたい」と思っているのではないでしょうか。
大会が近い、チーム練習を休みたくない——そのような気持ちは、これまで多くの選手を診てきた私にもよく分かります。
結論からお伝えします。
シンスプリントは、正しい判断とケアを行えば「走りながらでも治すことが可能」です。
ただし、どのような症状でも走り続けてよいわけではありません。ここでは、接骨院での臨床経験をもとに「走りながら治すために必要な知識と方法」を専門的な視点から解説します。
シンスプリントとは
シンスプリントは、すねの内側(脛骨内側)に生じる骨膜の炎症です。
ランニングやジャンプ動作などの繰り返しによって、脛骨に付着する筋肉(主に後脛骨筋、長趾屈筋、ヒラメ筋など)の牽引ストレスが蓄積し、骨膜が微細損傷を起こすことで痛みが発生します。
単なる筋肉痛とは異なり、筋肉ではなく骨膜が炎症を起こしている点が特徴です。
そのため、放置して練習を続けると炎症が骨質にまで及び、「疲労骨折」に発展するケースもあります。
走りながら治せる症状の見極め方
すべてのシンスプリントが「走りながら治せる」わけではありません。
以下のような症状であれば、運動を継続しながらでも回復を目指すことが可能です。
- 運動開始時に痛みがあるが、ウォームアップ後に痛みが軽減する
- 運動中は問題ないが、運動後に軽い痛みを感じる程度
一方、次のような状態にある場合は、運動を一時的に中止することが望ましいです。
- 走行中に痛みがどんどん強くなる
- 痛みでフォームが崩れたり、走るのが困難になる
- 日常生活の歩行や階段昇降でも痛みがある
これらは炎症が強く、骨膜だけでなく骨への負担も大きい状態です。
無理に練習を続けると回復が遅れるどころか、疲労骨折に進行するリスクがあります。
走りながら治すためのポイント
1. 負荷のコントロール
「走る量をゼロにする」のではなく、痛みの出ない範囲で負荷を調整することが大切です。
スピード走や坂道ダッシュなど、地面からの反力が強い練習を控え、平地でのジョギング中心に切り替えます。
また、連続して走るよりも「1日走って1日休む」といった間隔を設け、炎症の回復時間を確保しましょう。
2. フォームの見直し
オーバープロネーション(足が内側に過剰に倒れ込む)やヒールストライク(かかと着地)は、脛骨内側に過大なストレスを与えます。
重心をやや前方に置き、ミッドフット〜フォアフット着地を意識することで負担を軽減できます。
専門家によるフォームチェックも有効です。
3. 筋膜へのアプローチ
当院での臨床経験上、シンスプリントは筋肉そのものよりも筋膜の癒着や滑走不全が痛みの原因となっていることが多いです。
特に、後脛骨筋の筋膜が固まると骨膜への牽引力が増し、炎症が長引きます。
施術では筋膜リリースや手技療法で筋膜の動きを正常化させることで、走行中の痛みが軽減し、運動を継続しながら改善できるケースが多数あります。
4. セルフケアの実践
走りながら回復を促すためには、日常のセルフケアも重要です。
- アイシング:練習後に脛の内側を15分ほど冷却
- ストレッチ:後脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋のストレッチを入念に
- マッサージローラーでふくらはぎの筋膜を軽くほぐす
- 靴の見直し:ソールがすり減ったシューズや硬いシューズは避け、クッション性と安定性のあるものを使用
走りながら治す際の注意点
- 「少し痛いけど我慢できる」程度でも、痛みが増す兆候があればすぐに休むこと
- テーピングやサポーターでのサポートは有効だが、根本治療ではない
- 睡眠不足や栄養不足(特にカルシウム・タンパク質欠乏)は回復を遅らせる
炎症が治まってきても、急に元の練習量に戻すと再発することが多いため、段階的に負荷を戻すことが重要です。
臨床での実例
高校生ランナーのAさんは、部活動の引退を控え「練習を休みたくない」と来院されました。
初診時は運動開始時の痛みが強く、練習後に脛内側の鈍痛を訴えていました。
週1回の筋膜リリースとセルフケアの指導を続け、練習内容を調整しながら経過を追ったところ、約1か月半で痛みが消失し、引退まで走り切ることができました。
このように、症状に合わせた負荷調整と筋膜施術を行えば、「走りながらの回復」も十分に可能です。
なかなか治らない場合に考えられる原因
- 骨膜だけでなく脛骨自体に微細損傷(疲労骨折予備群)がある
- 足首や股関節の可動域制限によるランニングフォームの崩れ
- シューズのフィット不良やインソールの問題
- 栄養・休養の不足による組織修復力の低下
これらがある場合は、単に安静やストレッチだけでは改善しません。
画像検査(レントゲン・MRI)や専門家による運動分析が必要です。
当院でのアプロ―チ
シンスプリントは、痛みの部位だけでなく、骨盤や足部アライメントのバランスも深く関係しています。
当院では、局所の炎症を抑える施術に加え、足首・膝・股関節の連動性を整えるアプローチを行います。
これにより、再発しにくい身体づくりが可能になります。
特に「筋膜」「骨格」「フォーム」の3点を総合的に整えることで、
単なる痛みの軽減だけでなく、競技パフォーマンスの向上にもつながります。
まとめ
- 軽症のシンスプリントなら走りながらでも治すことが可能
- 痛みの程度を正確に見極め、負荷を調整することが重要
- 筋膜リリース・セルフケア・フォーム改善の3本柱で回復を促す
- 重症化している場合は無理をせず、一時的に休養を取る
- 専門家による施術と正しいケアで再発を防ぐことができる
「走りながら治したい」と願う方は、自己判断で我慢するのではなく、
専門的な評価と施術を受けながら安全に回復を目指しましょう。
あなたの脚は、まだ十分に走る力を取り戻せます。
シンスプリントで悩む時間を最短にし、もう一度思い切り走れるようにサポートします。



